一般質問/阿部 憲一 議員

1.交付金返還の責任は
 浅倉橋橋梁整備工事(平成28年7月21日起工、平成29年7月31日竣工、請負金額1.37億円余、ほぼ全額交付金利用、施工会社:横山建設(株))で、会計検査院による会計実地検査(平成30年10月22・23日)において、付帯道路部のガードレール基礎が河川方面へ押し出されているのが発見された。設計図書と異なる部分については町側の監督員と協議をせず受注者の安易な判断で施工したということになっており、その部分の手直し工事は施工会社が行い、費用も施工会社が負担し、平成30年11月に完了。そして、会計検査院は付帯道路のガードレール基礎部分の施工が粗雑であり、工事の目的を達しておらず、これに係る工事費102万円(内、交付金101万円)が不当であると判断。交付金101万円を国庫に返還することになった。
このことに関して先日11月15日に全員協議会で当時の担当課長より説明があり、町民の財産である一般財源が101万円損失したことが明らかになった。町民には何ら責任がないにも拘わらず。以下、全員協議会での配布資料に沿ってお尋ねする。
(1)会計実地検査の時、付帯道路の形状と設計図書との相違は「ガードレール基礎に想定以上の土圧を作用させ」たためと町側では理解しており、これが工事面での原因かと思えば、その後、会計検査院には「ガードレール基礎部分の施工が粗雑」と判断されている。原因は両方の複合的なものと町では理解しているのか。
(2)会計実地検査の時「設計図書との相違部分については監督員と協議をせず受注者の安易な判断で施工したこともこのとき判明した」とのこと。つまり、施工ミスがあり、且つ、施工会社が勝手にやったことが工事面の主たる原因という認識か。
(3)ガードレール基礎に想定以上の土を盛って、形状の変更をしている。これは外目からも判る筈。町は「監督員と現場代理人とにコミュニケーション不足」があったとしているが、別の検査員ともども見逃したと想像される。あるいは、その変更でも好しとしたのか、どちらか。ガードレール基礎部分の施工についても誰も粗雑かどうか判らないでは監督になっていないではないか。いずれにしても町側の監督責任も明らかではないか。
(4)この一般財源の損失について、委員会なりを設け、施工会社の同席も得て、公正な話し合いでそれぞれの責任を明確にし、その上で損失分を補填をするべきだが、如何。こういう場合、力関係で事業者に全て責任を押し付けるようなことになりがちなので、第三者の立ち会いが必要である。
2.給食の安全性が判断できない
 学校給食運営委員会で給食被曝についておおむね保護者の同意を得ていると言うが、米・野菜などの食材の数値はセシウムなどのガンマ線をゲルマニウム半導体検出器で測定しているのみ。白血病・1型糖尿病の原因と指摘されているストロンチウムはセシウムと同量が生成され、大量に飛散しており、ただ、測定が十分でないか、同時にエアロゾルとして放出されたケイ素に核種が被われてベータ線が十分に測定できないから数値が上がらないに過ぎない。更に、遙かに危険度の高いプルトニウム・ウラン・アメリシウムなどのアルファ核種の拡散についてはJAEAなどが詳細に環境調査をしているが支障があるようで公開していない。これらの肝心要の現実の危険性を学校給食運営委員会の誰も理解せず、当然必要な情報を保護者に提供もせず、保護者の同意を得たからとは無責任ではないか。後日、放射線障害の問題が出た時のための教育委員会の責任回避に映る。給食は義務ではないと言うが、弁当を持参するような子供がいないのは年頃やイジメの問題などあれば当然で、否応なく給食を食べさせられるのである。
当町は福島第一原発から僅か20km足らずで、住民は日常ずっと放射線防護のマスクもせずの無防備で、目に見えないだけで複合汚染・多重被曝の最悪の環境に暮らしている。チェルノブイリ原発事故での同じレベルの環境汚染のゾーンを福島県に重ねてみれば、小児甲状腺癌の数は追跡できない未確認を含めて数百人、前癌状態の「異状」判定は 3,500 人以上というのは当然の数字。いわき市でも判明しているだけで40人以上になっている。テレビも新聞も「復興・復興」「風評払拭」の全体主義に陥って、事実を報道しないというだけのこと。
このあり得ない状況で、今も海側遮水壁の下からは燃料デブリを洗った超高濃度の汚染水が海に流れ出している上に、体内に入るとDNAを構成する水素と入れ替わる極めて危険なトリチウムほかの汚染水を海洋投棄しようという中で、子供らの給食を地元産に替えようという。教育委員会には少しでも被曝しないよう努めようという予防原則の常識がない。ただ他の市町村と横並び。未だに「国が県が」と悪質極まる犯罪行政に追従して自分らの頭で判断をしようとしないとはどういうことか。
ウクライナ・ベラルーシ等のチェルノブイリ法の第1ゾーンとは、住民がいないために年間追加被曝線量の定義がないが、第2ゾーンの下限値の2倍の10mSv 以上とされており、これは日本なら毎時1.142μSv 以上ということになる(10000μSv÷365日÷24時間)。広野町では 2011/ 4 でも北迫川の河口付近で10μSv はあり、四倉高校では 3/15 頃文科省の職員は300μSv/h と言った。ウクライナ等と同様に基準値を 2011/ 4 に執れば、広野町はウクライナの第1ゾーンの基準値の下限値の9倍の年間追加被曝線量だということ。チェルノブイリ原発事故では、その下の下の第3ゾーンでさえ今33年半経って大勢の健康被害や死者を出している。基準値のもう一つの指標の土壌汚染濃度(セシウム 137 基準)でも、現在でさえ広野町はセシウム 137 中心で数十万 Bq/m² あり(東日本土壌ベクレル測定プロジェクトによる4ヵ所の測定で下北迫で82.9 Bq/m²/2016/ 2/ 5)、原発事故の当時は更に桁が上であり、こちらも第1ゾーンの基準値の下限値(定義なし。第2ゾーンの2倍の110万 Bq/m² とも)の何倍にもなる。こうした数字の意味を理解している人たちは関西や北海道まで避難している。
以上は被曝訴訟の一線に立ってきたこの分野の第一人者の琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬先生や子ども脱被ばく裁判などに関わる弁護士らの相互チェックで共有されている知見。空間線量率も土壌汚染濃度も数値の僅かの上昇で大勢が亡くなるという現実を町行政はいい加減認識するべき。広野町の汚染レベルがどれだけとてつもないレベルか、町長もよくよく認識するべき。
(1)大勢に長期間食べさせることがのちの誰かの放射線障害に繋がらないとどうして言えるのか。
(2)教育委員会としては学校給食の食材の提供について、今の保護者への情報提供のあり方、食材の選定を変えるべきだが、如何。
3.廃炉安全確保県民会議
 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全確保県民会議。福島県 危機管理部 原子力安全対策課 放射線監視室の所管。浜通りほかの市町村自治体、各種団体、学識経験者ほか、説明者として関係省庁・東京電力が参加。当町もこの会議の構成員であり、2013年の第一回からA氏が町長より推薦されているが、欠席が多く、2015・2016 年は出席なく、私が指摘して再び出席されるようになったが、再びほとんど欠席が続いている。この会議は2ヵ月に1度ほどの開催(会場:福島市)で、福島第一原発等への現地視察を含めて令和第5回(11/27)まで計38回開かれているが、出席は12回のみ(3割強)。今年も去年も1回のみ。当町は住民の多くを町に戻して危険率が最も高い自治体なのに、国際的な関心の的でもあるトリチウムほかの汚染水の処理の議論を含めて、この廃炉についての様々な話し合いや意見の表明に殆ど加わっていない。町民にもなぜ・どうしてが何らフィードバックされていない。
(1)なぜこの状態を放置してきたのか。町長は認識していたか。
(2)この分野に見識があり出席に意欲のある人物に替えるべき。出席できない場合には代わりの人間を参加させるべきだが、如何。
4.「帰還率」の表現はおかしい
 震災・原発事故の当時の住民で現在も当町に居住しているのは2/3ほどに過ぎない。それを大勢の作業員やふたば未来学園の4学年分もの寮生の一時的な新たな転入などを含めることに加えて、避難者は避難地にどんどん転出している事実を無視して、現在「帰還率88.2%」とは、国や原子力ムラの意向に沿って原発事故のダメージを小さく見せるため、東京オリンピックに向けてこんなに復興したとばかりに見せかける印象操作である。国は避難者数について仮設住宅を出たら避難者から除いて「避難者はこんなに減りました」とばかりの印象操作をやって批判されているが、同様の手口。
さもこんなに戻りましたとばかりに「帰還率」を振り回しているのは広野町だけである。楢葉町は「町内居住者数・世帯」、富岡町も南相馬市も同様の状況にある自治体ではそうした言い方をしていない。
(1)「帰還率」の表現を正しく「町内居住者」なりに変えること。あるいは「帰還率」を使うならば、震災・原発事故当時の住民 5,490人の内の帰町の割合を示すこと。如何。
(2)震災・原発事故当時の住民 5,490 人の内で現在何人在町しているか。